月30時間の定例業務を自動化。スモールスタートで実現した全社DX推進の裏側

課題
・煩雑な定例業務に追われ、新規業務に時間を割けない状況
・担当者不在時の業務停滞リスクを招く、業務の属人化
・リモートワーク環境に対応した業務プロセスの構築
解決策
・非エンジニアでも直感的に操作できるRPA「ロボオペレータ」の導入
・各部署から推進メンバーを選出し、RPAチームを結成
・チーム内でのロボット作成発表会の開催による、成功事例の横展開
効果
・複数システムを横断する手作業を自動化し、月間約30時間の工数削減
・業務の標準化による属人化の解消と、担当者の心理的負担の軽減
・外部委託業務の内製化による、将来的なコスト削減への寄与
会社紹介

公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会

「容器包装リサイクル法」に基づき設立された指定法人。家庭から排出されるペットボトルやプラスチック製容器などの容器包装廃棄物の再商品化(リサイクル)を推進。消費者、市町村、事業者をつなぐリサイクルシステムを運営することで、資源循環型社会の実現に貢献。

担当者紹介

企画広報部 杉森様
企画広報部 関澤様

属人化と煩雑な定例業務が課題。リモートワークへの対応も急務に。

ロボオペレータ導入以前は、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?

(杉森様)
必ずやらなければならない日次業務や月次業務といった定例業務に追われ、新たに取り組むべき業務に十分な時間を費やせないことが多々ありました。新しい業務を優先すると定例業務が遅れがちになる、というジレンマを抱えていました。

また、システム担当や法務担当、コールセンター担当など、各担当者がそれぞれの業務を抱えている中で、業務が属人化しているという課題もありました。その担当者がいれば安心ですが、いなくなると業務が滞ってしまう。業務が確実に、そして安全に遂行される上でリスクがある状態でした。

さらに、コロナ禍を経てリモートワーク制度はできたものの、紙媒体でのやり取りなど、出勤しなければ対応できない業務も残っていました。場所に縛られず各自が業務を遂行できる体制を整える必要性を感じていました。

誰でも使える操作性を重視し、RPAでの業務改善を決断。

様々な業務改善ツールがある中で、なぜRPAに着目されたのでしょうか?

(杉森様)
ExcelのVBAを組んで自動化する方法も検討しましたが、VBA自体が属人化してしまうリスクがありました。過去にも、VBAを組める担当者が退職したことで、そのツールが使われなくなってしまった経験があります。その点、RPAは低コストで、かつ専門知識がなくても業務プロセスを自動化できるため、属人化を防ぎつつ効率化を進めるのに最適だと考えました。

数あるRPAの中から「ロボオペレータ」を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

(杉森様)
属人化を防ぐためには「誰でも使いやすいこと」が絶対条件でした。高機能でも使いこなせなければ意味がありません。その点で、ロボオペレータは操作性が良く、ロボットを作成するプロセスが非常に分かりやすいと感じました。

特に私が気に入ったのは、画面上の画像を認識して処理を判断できる点です。システムの専門家でなくても、何をしているかが直感的に理解できるため、引き継ぎも容易だと感じました。また、サポートの対応が迅速であることも、導入を決める上で大きな安心材料になりました。

トライアルを経て効果を確信。各部署の代表者によるチーム発足と発表会で、全社的なDXの土台を築く。

どのような流れでロボオペレータ導入に至りましたか?

(関澤様)
まずは無料トライアルから始めました。RPAというツールに具体的に触れるのは初めてでしたが、これは業務の役に立つツールだとすぐに感じましたね。トライアル期間中は、私たちの日常業務を題材に、私含め3名でロボットを作成しました。ツールとしての有用性を実感できたのが、本格導入の決め手になりました。

導入後、どのようにして全社的に活用を広げていかれたのでしょうか?そのユニークな取り組みについて教えてください。

(関澤様)
まず私自身がポータルサイトや動画で学習し、ツールへの理解を深めるところから始めました。そして、ある程度他のメンバーに教えられる段階になったタイミングで、全5部署から1名ずつ集まり、「ロボオペレータ推進チーム」を結成したのです。

そのチームで、サンプルのロボットを動かしたり、実際に自分たちの業務でロボットを作ってみたりという活動を進めました。最終的には、各部署が作ったロボットを発表し合う「発表会」も開催したんです。他の部署の自動化事例を見ることで、「それなら私たちの、この業務にも使えるかもしれない」といった相乗効果が生まれ、RPA化できそうな業務が次々と洗い出されていきました。この取り組みが、協会全体にRPAを広める大きなきっかけになったと感じています。

月30時間の業務を自動化。地道な効率化の積み重ねが大きな成果に。

実際にロボオペレータで自動化した業務と、その効果について具体的に教えていただけますか?

(関澤様)
1つは、ホームページの更新業務です。当協会の基幹システムから、年度ごとに分かれたExcelファイルを24年分ダウンロードし、ファイル名を変更して、CMSにアップロードするという作業がありました。ダウンロードにも時間がかかり、ファイルの種類が3つあるので、合計で70回以上同じ操作を繰り返す必要があったのです。以前は5~6時間はかかっていた作業ですが、今ではロボットが全て自動でやってくれるので、ほぼノータッチで完了します。

もう1つは、基幹システムを使った事業者名の検索業務です。Excelリストにある会社名を1つずつシステムに入力し、検索結果を確認するという作業なのですが、一度に300社分を調べなければならないこともあり、これも丸1日かかるような業務でした。これもロボットが1行ずつExcelを読み込んで自動で検索してくれるようになり、大幅に楽になりました。

それぞれの業務で見ると数時間の削減かもしれませんが、現在では約10の業務でロボットが稼働しており、合計すると月間で約30時間の業務時間削減につながっています。

今後の展望と、DX推進に悩む企業へのメッセージ

今後、ロボオペレータをどのように活用していきたいとお考えですか?

(関澤様)
大きく2つあります。

1つ目は、まだ着手できていない自動化候補の業務が5~6個あるので、それらを着実にロボット化していくことです。

2つ目は、外部に委託している事務作業のコストカットです。すでに1件、外部委託していた業務をRPAで内製化した実績があります。今後もロボットで自動化できる業務は協会内で巻き取り、委託コストの削減につなげていきたいと考えています。

最後に、DXや業務改善に取り組む企業の方々へメッセージをお願いします。

(杉森様)
まず、「自分たちの業務をどうしたいのか」という目的を明確にすることが重要だと思います。「コスト削減」や「属人化の解消」といった目的がはっきりしていれば、その手段としてロボオペレータは非常に適したツールです。単なるIT化にとどまらず、DXの視点を取り入れながら、目的達成のためのツールとしてロボオペレータを活用することが成功の鍵だと思います。

(関澤様)
いきなり大きなことから始めるのではなく、まずはスモールスタートで簡単なところから試してみるのが良いと思います。「意外とできるじゃないか」という小さな成功体験を積み重ねていくことで、自然と周囲に活用が広がっていきます。気負わずに、少しずつじんわりと広げていく、というやり方でRPAをまずは定着させるというのも一つの手ではないでしょうか。

公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会の皆様、この度はインタビューにご対応頂き、誠にありがとうございました!